瞬間中国語作文で中国語スピーキングを面白いように伸ばす方法
中国語会話の、特にスピーキングが苦手だなと感じている人向けの記事です。
HSKの勉強ではリスニングを特訓する機会は多いですが、スピーキングの勉強って、あんまりやった事ないですよね。
HSK4級あたりから徐々に会話の練習にシフトする人が多いですが、一番の悩みは「言葉が瞬時に頭に浮かんでこない」事だと思います。
私も中国語会話がまだ苦手な頃は、一回の言葉のキャッチボールに数分かかるなんていう超効率の悪いコミュニケーションをしていました。
しかもそのデビュー戦は、お客様とのオンライン会議の通訳。
お客様に「今何が起きてるんですか?」としきりに聞かれて、ものすごくテンパったのを覚えています。
会話は
瞬時に相手の言っている内容を理解して、瞬時に回答するべき文を組み立てて発言する
これの繰り返しです。
HSKの勉強で培った「文脈で中国語を理解する」技術に加えて、瞬間で中国語を理解する反射神経を鍛えると、会話の時にあわてなくて済みます。
今回は実際に私も挑戦して、会議でも割とスムーズに通訳ができるようになった「瞬間中国語作文」について紹介します。
効果としては、
- 中国語を理解するスピードを高速化する効果
- 会話の時に、正しい文法で話せるようになる効果
この二つがあると思っています。
「ゆっくりなら話せる、プレゼンならできる…けど、会話のキャッチボールが苦手」という人におすすめの勉強法です。
瞬間中国語作文とは
瞬間中国語作文とは、「日本語の文章を、瞬間(目標は5秒前後)で中国語に翻訳するとレーニングの事です。
元々は英語学習において「効果があった」という人が続出した勉強方法です。
英語上達完全マップ(http://mutuno.sakura.ne.jp/)の森沢 洋介先生が提唱した「瞬間英作文」から派生しています。
実際に私も社会人になる前に瞬間英作文をやっていて、TOEICの点数が325点→635点に上がったことから、瞬間作文の効果は強く感じていました。
与えられた日本語を、瞬間で中国語に翻訳できるようになるまで何度も繰り返す勉強方法
最初は数十秒かかるかもしれませんが、繰り返せばかならず瞬間で翻訳できるようになります。
繰り返していけば、通訳の時にも応用できるし、中国人との直接の会話の時にも生きてきます。
瞬間英作文の本はものすごく有名なので、あなたも本屋さんで見たことがあるかもしれません。
▼こんな本です
Amazon:どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
楽天Books:どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
「瞬間英作文」とは、中学で習うレベルの文型で簡単な英語をスピーディに、大量に声に出して作るというものです。このトレーニングを続けることで、頭の中に英語回路が出来上がり、学校で習った「知っている英語」が「使える英語」として生まれ変わります。
簡単な英文さえ反射的には口から出てこない、相手の話す英語は大体わかるのに自分が話すほうはからきしダメ、という行き詰まりを打破するのにとても効果的なトレーニング方法です!
発売から10年でついに50万部を突破した、異例の超ロング&ベストセラー!!
(引用:ベレ出版HP)
この勉強はリスニングにもスピーキングにも影響していて、「頭の中の中国語をすばやくクリアな状態にする」という効果があります。
例えば「私は毎朝公園で散歩をします」
という日本語を中国語に瞬間中国語作文してみてください。
どうですか?できましたか?
こんな事を、ひたすら、言えるようになるまで繰り返します。
「覚えた」に感覚が近いですが、そのうち単語を入れ替えても使えるようになるので、「私は昨日公園で散歩しました」なんてこともすぐ言えるようになるのが、瞬間中国語作文の効果です。
思ったことを瞬時に中国語で言えるということで、瞬間中国語作文がスピーキングに効いてくるのは理解できると思いますが、何でリスニングにも効果があるの?と思いますよね。
これは脳の処理スピードに関係しています。
例えばさっきの”我每天早上在公园散步”という中国語をきいたときに、処理スピードが追い付いていないと
「えっと、我が私で、、、早上ってなんだっけ、、、」
この間に文が終わっちゃいます。
瞬間中国語作文をして脳の処理スピードが上がると、中国語リスニングの時の理解スピードが上がるので、結果リスニング成績が上がるというロジックです。
瞬間中国語作文の効果
瞬間中国語作文は、初心者向けの簡単な中国語を瞬時に書いたり、話したり、聞いて理解したりするためのトレーニングです。
私たちも中国語を勉強していると、HSKはHSK、会話は会話なんて考えてしまいますが、本来は同じ中国語なので、HSKのレベルの中国語を瞬間で言えるようになれば、HSK4級でも相当会話ができるなというのが理解できると思います。
今まで勉強してきた「文法」「単語」「発音」「リスニング」「作文」「音読」なんかの内容を、一気に使える力に変換して、知らない間に「中国語を話せるようになってた」という効果を感じられるはずです。
「中国語を知っている」→「使える」に変えるための、もっとも簡単な訓練方法のひとつが、瞬間中国語作文です。
参考書籍:ビジネス中国語なんて超簡単! 最短最速で上達する中国語学習法
実際に感じる瞬間中国語作文の効果としては、以下の2つの事が、初期のころに感じられます。
- 中国語を話すときに、文法を間違えなくなる
- ビジネスの場で、簡単な通訳ができるようになる
中国語の会話の時に、文法を間違えなくなる
瞬間中国語作文で一番最初に感じる効果が、「文法を間違えなくなる」という効果です。
中国語会話を始めると、「書いてみれば大体伝わる文法で書けるのに、言おうとすると難しい」という壁にぶち当たります。
空で文を考えるのってこんなに難しいんだと挫折しそうになりますが、瞬間中国語作文を繰り返すうちに、正しい文法を空で素早く組み立てる力が身につきます。
ビジネスの場で、簡単な通訳ができるようになる
瞬間中国語作文の二つ目の効果として、ビジネスの場で簡単な通訳ができるようになるという効果があります。
ビジネスの場での通訳って、「日本語を聞いて中国語に翻訳する」という作業が半分ありますよね。
その作業自体が瞬間中作文なので、日本語→中国語の通訳がいつの間にかできるようになります。
次の悩みは中国語を日本語に翻訳する能力ですが、それも瞬間中作文の過程の中である程度身につきます。
瞬間中国語作文のやり方
瞬間中国語作文のやり方は、以下の5ステップです。
- 日本語を見て中国語をひねり出してみる
- 中国語をみて正しい文法と言い回しを確認する
- 1文を10秒で言えるまで音読と暗唱の練習
- もう一度日本語を見て中国語を思い出す
- 7秒以内に日本語を中国語に言い換えられるまで繰り返す
瞬間中国語作文のトレーニングの大事なところは、「まず考える」そして「素早く言えるようになるまで繰り返す」の2つだけです。
まずは肩に沿ってやりながら、時間を短縮したり、負荷を変えたり、ご自身に合った方法にカスタマイズしてみてください。
日本語を見て中国語をひねり出して、瞬間中国語作文をする
瞬間中国語作文の1番目のステップは、「日本語を見て中国語をひねり出す」というトレーニングです。
知っている単語、言い回しで何とか中国語をひねり出してみてください。
最初は回りくどくて、何が言いたいのかわかりづらい文になると思いますが、次のステップで答えを見て、スマートな言い方があるんだなという気付きを得ることが大切です。
中国語をみて正しい文法と言い回しを確認する
瞬間中国語作文の2番目のステップは、中国語のスマートな言い回しと文法を確認して、感動するステップです。
自分の持っている武器だけで戦った結果、何とか言えたけど、実はもっと簡単な言い方があったという感動をしたり、「そういえばこんな文法やら単語があったな」という感動をしたり、「この単語は知らなかったな」と悔しがったり、感情とともに、正しい中国語を覚えます。
1文を10秒で言えるまで音読と暗唱の練習
瞬間中国語作文の3つ目のステップは、中国語の暗記です。
言えなかった中国語をしっかり覚えることで、これからは自分の武器として使える単語や言い回しになります。
最初は中々頭に入ってこないですが、何度も繰り返すうちに自然に自分の選択肢の中に登場してきます。
もう一度日本語を見て瞬間中国語作文をする
瞬間中国語作文の4つ目のステップは、瞬間中国語作文のやり直しのステップです。
一生懸命中国語を覚えたけれど、まだ確実には覚えていないと思います。
その中で、もともと持ってた知識、そして新しく仕入れた知識の一部を使ってもう一回頭の中で考える練習をします。
このステップを踏むことで、初めて見た単語や言い回しが、自然に自分の武器になっていると実感できます。
7秒以内に日本語を中国語に言い換えられるまで瞬間中国語作文を繰り返す
瞬間中国語作文の最後のステップは、短い時間で日本語を中国語に瞬間中国語作文するトレーニングです。
いわばタイムアタックです。
実際の中国語は1文を話し終わるのに3~5秒くらいで終わっちゃいますが、完璧を目指すと大変なので、まずは7秒以内を目標にします。
あとは自分の感情が高まっているときは自然に早口になって3~5秒で話せるようになってるはずなので、スピードはそのうち速くなります。
瞬間中国語作文におススメの教材
瞬間中国語作文におススメの教材を、今回は3つ紹介します。
- ビジネスレベルの瞬間中国語作文をしたい人向け
- 基礎の中国語を瞬間中国語作文で固めたい人向け
- 瞬間中国語作文の定番をつかって、会話に生かしたい人向け
この順番で行きます。
難易度はどれも大して変わらないので、自分が将来使いたい言い回しが含まれそうなカテゴリに合わせて選んでみてください。
ビジネスレベルを目指すなら、フアチャイビズ
長らくビジネス向けの瞬間中国語作文教材はありませんでした。
使う人が限られるからですよね。
ただし、ビジネスレベルを目指す人にとってそれが障害でした。
HSKも勉強したし、日常会話はちょっとだけ話せるようになったけど、ビジネスで使える中国語は勉強のしようがない!
私もそんなことを思っていました。
最近になってようやく登場、ビジネス分野の中国語作文教材、その名も「フアチャイビズ」です。
▼フアチャイビズについては、こちらで詳しく解説しました。
▼スマホやパソコンで勉強ができるようになっていて、私もちょくちょく勉強しています。
今週は心が折れちゃって全然勉強できませんでしたが、ようやく今日久しぶりに机に向かうことができました。
4日サボっちゃった分、少しずつ取り返していきます。
とりあえず瞬間作文から。#中国語勉強 pic.twitter.com/q7Yu7unhnw
— TOMO🤐2月は瞬間作文を少しだけ (@try_to921mo) November 29, 2020
瞬間作文をやりました。
文が徐々に長くなってきましたが、こんなの7秒以内に言うの無理!!!
なんて思いながらゆっくりやってます。最初は思いつけばOK、慣れてきたら時間短縮にトライ。
高いレベルまで一気にやろうとすると挫折するので、一つずつ課題をクリアしていきましょう。#中国語勉強 pic.twitter.com/WIMUtwK4dz— TOMO🤐2月は瞬間作文を少しだけ (@try_to921mo) November 22, 2020
ビジネス向けの瞬間中国語作文についてもっと知りたい人向けに、こちらの記事でかなり詳しく解説してます
基礎の中国語を固めるなら、7つの述語文
中国語の基礎を固めるためなら、7つの述語文がおすすめです。
▼リンク貼っておきます
実は「中国語会話のための文法勉強法」というテーマでも紹介している記事です。
例文が多いテキストで、文法についての詳しい解説も載っているので、基礎を定着させるにはもってこいの教材です。
「5秒以内にすべての例文を日⇔中翻訳できるように」という感じで私も勉強していました。
瞬間中国語作文の王道、口を鍛える中国語作文
瞬間中国語作文の王道は、「口を鍛える中国語作文」という本です。
私のフォロワーさんも結構使っている人が多いです。
▼HSK6級に8割で合格したlinlinさん
時間ができたので、まずはこの4冊を全部覚えて話せて書けるようになることにしました。簡単な文も思いつかないものがたくさんあります😅
『瞬訳中国語 初中級編』→『瞬訳中国語 中級編』→『口を鍛える中国語作文 中級編』→『口を鍛える中国語作文 上級編』の順番でやってみます。 pic.twitter.com/2oJcYvlG8P— linlin (@Kote1Rin) July 12, 2020
▼武漢の大学に通ってるkaigoさん
[第13回:中国語毎日練習]#毎日音読 13日目#xingqiao汉语
今日も「口を鍛える中国語作文 (中級)」を音読しました。
文法、単語も効率よく学べとても良いです。(^^)
読むスピード少し上がった気がする😊 pic.twitter.com/P6I6orUJhO— Kaigo (@gsak_jpt1) August 25, 2019
HSK3級4級くらいの実力の人が初級編を使って勉強するイメージです。
HSK3級4級をこれから受ける人はゼロスタか、たったの72パターンが王道です。
▼口を鍛える中国語作文のリンクを貼っておきます
Amazon:口を鍛える中国語作文-語順習得メソッド【初級編】
楽天:口を鍛える中国語作文 -語順習得メソッド 【初級編】
Yahoo!ショッピング:口を鍛える中国語作文 -語順習得メソッド 【初級編】
自分の話したい分野に合った教材で瞬間中国語作文を繰り返そう
大人になってから中国語を勉強すると、急いで習得しないといけないので大変ですよね。
なので、まずは自分の話したい分野に合った教材から、中国語を極めていくのがおすすめです。
いきなり「日常会話」という途方もなく話題が豊富な分野よりも、限定された一分野、たとえば「仕事使う分野」などに絞ってきわめて、慣れてきたら外に広げていくイメージです。
私も今ビジネスの場で中国語を使おうとしています。
私は機械系の技術者なので、最初は「焼き入れ」などの熱処理について、次は切削加工、その次に検査と、製造業に関する分野で中国語を勉強した後に、今後はもっと幅広い分野で使える内容を勉強していきます。
というわけで、私はビジネス中国語のために、現在はフアチャイビズで瞬間中国語作文をしています。
どうしても瞬間中国語作文が苦手な場合のやり方
瞬間中国語作文って結構難しいので、どうしても苦手な人にはその前に1ステップ挟んで勉強すると良いです。
その方法は、「中国語の音声に合わせて音読する」というトレーニングです。
瞬間中国語作文をするためにはまず基本となる文法、そして発音が必要なので、読み方の分からない単語が出てきたらそもそも瞬間中国語作文ができません。
チャレンジしてみた教材が難しかった場合は、一旦まず中国語の音声に合わせて音読してみて、「思い出しながらなら作文できるな」と感じ始めてきたころに瞬間中国語作文にトライしてみるイメージです。
ただし、どうしても瞬間中国語作文が苦手な場合は、まだ文法が完璧に定着していない可能性もあるので、思い当たった場合はこちらの記事を見て基礎の復習をしてみてください。