HSK5級の勉強法と勉強時間【合格するための良い作戦を考えました】
HSK5級合格のための勉強法と勉強時間を知りたい人向けの記事です。
HSK5級に合格したい
HSK5級の勉強方法を知りたい
HSK5級の勉強時間を知りたい
こんな質問にお答えします。
すでにHSK4級を合格している人向けの記事なので、もしHSK5級を一発目から受ける場合はこちらの記事を参考にしてください。
HSK5級に合格のための勉強ポイントだけ先に言っておきますね。
時間があったら中身も見てほしいです。
- HSK5級に合格したい
→作文で高得点を取れるかががポイントです。 - HSK5級の勉強方法を知りたい
→単語、発音、文法、作文の弱点を潰すと早いです。 - HSK5級に合格するための勉強時間は?
→合計で400時間、HSK4級合格から100時間あれば合格が狙えます。
HSK5級に合格するためにやるべき事
HSK5級に合格するためにやるべき事を3つ紹介します。
- HSK4級までの勉強を完璧に仕上げる
- HSK5級の全体像をつかむ
- HSK5級用の作文練習をする
HSK5級に合格するには、基礎力に加えて語彙数と慣れが必要です。
安心してほしいことは、HSK4級までの基礎文法をマスターできればHSK5級は合格しやすいということです。
HSK4級と5級の間に知識の壁はありません。
レベルの違いは、必要な単語が増えることと、作文の難しさで演出されています。
基礎から勉強しなおしたい場合はロードマップを作ったので参考に進めてください。
それでは、HSK5級に合格するための準備を深堀りしていきます。
HSK4級までの勉強を完璧に仕上げる
HSK5級に合格したいなら、HSK4級までの文法知識を8割~10割のレベルで完成させておくと後が超楽です。
HSK5級に新しい文法知識はほぼ出てきません。
むしろ「使い慣れているか」に焦点が当たっているような気がします。
HSK5級に新しい文法はほぼ登場しません。
HSK4級レベルの文法を理解して、運用できるなら、HSK5級はリスニング対策と作文対策で受かります。
問題を俯瞰してみてみると、「読解問題は簡単そうだな」と感じるはずです。
▼HSK4級レベルの復習用リンク
2週間くらい勉強して完成するペースだとちょうど良いです。
「HSK4級レベルの文法」は「初心者向けの文法テキストを解説できるレベル」です。
参考書を使って勉強したい場合は「HSK5級の文法の勉強法」の章を参考にしてください。
HSK5級の全体像をつかむ
HSK5級はレベルはそこまで難しくないですが、癖はあります。
テスト特有の問われ方に慣れておくと、HSK5級の合格の可能性がぐっと高くなります。
まずはHSK5級の問題を解かずに、問題だけを俯瞰してみてください。1回分だけで良いです。
- 問題文のどの部分が設問で聞かれているのか
- キーワードと答えのパターンは無いか
- どうやって勉強したら効率が良さそうか
なんてことを考えながら、問題を見ていきます。
HSK5級の勉強に取り掛かる前に各パートの特徴を捉えておくと、勉強の方針を決めやすいです。
参考に私の感覚でのHSK5級の各パートの特徴についてまとめます。
HSK5級のリスニングの特徴
HSK5級のリスニングは2部構成で、制限時間は合計30分です。
第一部分は短い会話文について、第二部分は長い文について正しいものを選択肢から選びます。
HSK5級のリスニングの第一部分は短い会話文なので、各回ごとの難易度のバラツキが小さいです。
第二部分は「文化について」、「環境について」、「マナーについて」などテーマが多岐にわたるので、固有名詞など登場頻度の少ない単語が出るとアウト、得意なテーマなら得点源、みたいなばらつきが出ます。
勉強するなら第一部分に絞ってしっかり勉強して、リスニングのスピードに慣れたら第二部分もいくつか正答率が上がるよねっていう感じで勉強するのが良いです。
勉強にかかる時間は、1日1時間x2週間くらいが最低ラインです。
もう少し勉強すれば、もっと早く点数が伸びます。
▼参考に私が実践した勉強法を紹介します。
朝一番は発音の練習。
HSKの問題を大きな声で音読です😮
声調とかを確認したいので音声を流したりしましたが、時間かかるので1.5倍速で流してみました🎧音読では口の動きが付いてこないけど、こんなんで良いのかな?
とりあえず、スクリプトをみて聞きながら言うくらいならできる!#中国語勉強 pic.twitter.com/aYyYWUMFJH— TOMO🍱美味しいご飯堪能中 (@try_to921mo) June 17, 2020
音声を聞きながらの音読が、HSK5級のリスニング対策には超有効です。
- 1倍速で音声を聞きながらスクリプトを音読 (単語の発音を覚えるため)
- 音声を聞かずに音読
- 1.25倍速で音声を聞きながらスクリプトを音読(知っている単語を早口で言う練習)
- 音声を聞かずに音読
- 1.5倍速で音声を聞きながらスクリプトを音読(口をスムーズに動かす練習)
早口で言えるようになると、実際の音声がすごく丁寧に、ゆっくり読まれていることに気づきます。
あとは慣れるまで、色んな問題をこなすだけでOKです。
HSK5級のリーディングの特徴
HSK5級のリーディングは3部構成で、制限時間は合計で45分です。
第一部分の空所補充問題は単語の運用ルールと意味を理解できているかを確認します。
やっていけばそのうち慣れるので、勝手に8割近く取れるようになるはずです。
もし苦手なら、間違えた問題だけを抜き出して答えを覚えればOKです。
第二部分の正誤問題は、4行くらいの文を速読する能力を問われています。
意味を理解しつつ速読する力が必要なので、時間がかかります。
もし苦手なら、全文訳してみるのも、一つの手です。
第三部分の長文読解が一番簡単です。
問題で問われているキーワードの入った段落を読むと答えが書いてあります。
ただし全文を読むととんでもなく時間がかかるので、さらっとキーワードを見つける力が必要です。
- 単語の意味にとらわれず文脈で理解すること
- キーワードを文中から素早く見つけること
この2点を抑えておけば、失点は少ないです。
勉強時間は1日1時間x2週間もあれば十分です。
もし苦手なら、おそらく文法か単語に弱点があります。
その場合はさらに1週間追加して、すべての問題を全文訳をしてみると一気に苦手が潰せます。
HSK5級のライティングの特徴
HSK5級のライティングは2部構成で合計40分です。
第一部分は語句の並べ替え、第二部分は「与えられた単語を使って作文する問題」と「絵を見て作文する問題」があります。
第一部分は文法の知識が問われます。
主語はどこか、補語はどこか、時間はどこかというルールが理解できていれば、6割は取れます。
あとは勉強して知識がつけば8割~満点も見えます。
第二部分は少々厄介です。
80文字程度という縛りの中で起承転結を付けながら作文をする必要があります。
文章の作り方をテンプレート化すると、文字数を稼げます。
単語から作文する問題は、問題の出題意図を把握すれば、書きやすくなります。
意味のつながらないバラバラな単語が並んでいるとはいえ、ランダムで選ばれているわけではありません。
「どの方向の話題につなげてほしいのか」という意図がつかめれば、その流れに沿って書いていくと、自然に文章になります。
絵から作文する問題は、テンプレートを作りましょう。
よく言われるのが、
“这是我个人的看法”(これは私の考えですが)という一文を入れると書きやすいというテクニック。
私もこれを多用しました。
あとは他にも、
「これは○○の状況です」とか
「今、○○は××をしています」とか
そんな書き始めも多用しました。
作文問題では難しい構文を使うよりも、「きちんと間違いなく文法が使えているか」の方が重要なので、自信がなければ基本文だけで書き連ねていくほうが圧倒的におススメです。
満点が決まったテストでは、いかに失点を減らすのか、、、これも一つのテクニックです。
- とりあえずリスニングを聞きまくろうと思うが、何を言ってるか3日聞いてもわからない
- 何となく文法書を読んでたら、気づいたら1か月経ってた
- 闇雲に問題文を全部翻訳してたら1回分こなすのに2週間かかった
HSKでは中国語の総合力を問われますが、闇雲に総合力を鍛えようとすると3か月たっても点数が上がらず、挫折します。
「何を勉強したらいいか」よりも「何を勉強しなくていいのか」を知っていると勉強の効率が良いです。
勉強時間は1日30分(文章を書いて、音読する)
それを毎日続けます。辛いけど毎日続けます。
何日か分をまとめて一気にやると効果が薄れるので、最低でも「書く」だけはやりましょう。それなら10分で終わります。
HSK5級用の作文練習をする
HSK5級は作文問題が鬼門です。
知らない単語が出てくるとピンチだし、絵から流れが読めないとピンチだし、、、。
とはいえ「じゃあHSK5級レベルの単語をすべて暗記しよう」という勉強法は一つの正解ですが最適解ではないです。
HSK5級の単語帳に載っている単語だけが出てくるとは限らないからです。
HSK5級の作文を攻略するにはどうしたらいいのか?
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答えは、「たくさん作文すること」です。
心配な理由は単純に「自信がないから」で、自信がない理由は単純に「経験不足だから」です。
私も過去に大量の作文をしてきたので、HSK5級の作文で高得点を取る自信がありました。
が、今では当時ほど自信がないです。それくらい、試験慣れは大事です。
作文は毎日やれば何となく得意になっていきます。
難しいのは単語から作文をする問題なので、10個作文を作るなら7個は「単語から作文」3個は「絵から作文」という感じでリソースを割きましょう。
おすすめの教材はHSKの問題集と作文に特化した参考書です。通販のリンクを貼っておきます。
▼HSK5級過去問
Amazon:「HSK5級公式過去問集」
楽天:「HSK5級公式過去問集」
Yahoo!ショッピング:「HSK5級公式過去問集」
▼HSK5級作文対策参考書
Amazon「合格奪取! 新HSK 5級 トレーニングブック [読解・作文問題編]」
楽天「合格奪取!新HSK5級トレーニングブック読解・作文問題編 」
Yahoo!ショッピング「合格奪取!新HSK5級トレーニングブック読解・作文問題編」
HSK5級の勉強方法を知りたい
HSK5級の勉強方法をテーマごとに解説します。
HSK5級に合格するためには、4つの能力を勉強する必要があります。
- 単語
- 発音
- 文法
- 作文
「あれ、リスニングは?」と思うかもしれませんが、発音練習の時に大量に音声を聞きながら練習をするので、そこで勝手に鍛えられます。
もし特別に心配な場合はこちらに解決法を書いたので、「HSK5級のリスニング勉強法」の項を参考にしてください。
HSK5級の単語勉強法
HSK5級の新出単語は1300個くらいあります。
一つ一つ書いて覚えていくと2か月くらいかかるので、まずは見てわかるレベルを目指せばOKです。
※「見てわかる」でOKな理由は、HSKで字を書く機会はあまりないからです。
6割くらいの単語を見てわかるようになったら、「ピンインが分かる」「聞いてわかる」レベルを目指していきます。
私は単語の勉強が本当に嫌いなので、短時間でサクッと流せるように勉強方法を確立しました。
もし単語勉強に悩んでいたら、この勉強法が参考になるかもしれません。
HSK5級リスニングの勉強法
HSK5級のリスニングの勉強は「リスニングのスクリプトを早口で読める」ようにひたすら音読練習でほぼOKです。
やり方はこんな感じ
リスニング第一部分のスクリプトを使います。
- 音声と同じ速さで音読(シャドウィング)
- 音声を1.25倍にして音読(シャドウィング)
- 音声を1.5倍にして音読(シャドウィング)
- 音声なしで音読
早口で読める文章は、聴けます。
逆に早口で読もうとしてつまずく文は、
①単語が読めない
②文法が分からない
③口の動きができない
①単語が読めない、②文法が分からない文は一旦ノートに書き写して、文を丁寧に精読してみてください。
頭で理解できればスッと読めるようになります。
③口の動きができない、例えばzhとjの言い分けができない、shが重なったりchとqが続くとうまく発音できないなど、早口言葉が苦手な場合は聞き分けも苦手な事が多いです。
その場合は一旦落ち着いて、1週間だけ口の動きの練習をすると聞きやすさが上がります。
参考に発音の練習に関する記事のリンクを貼っておきます。
それでももしリスニングが苦手な場合は、特別な勉強をすると解決の糸口が見つかります。
ただし、かなり時間がかかるので、「どれだけ勉強しても5割くらいしか正解できない!」みたいなピンチの時以外は、一旦放置で良いんじゃないかなと思います。
どうせHSK5級の次にすぐ6級が控えているので、その時にまた同じ勉強をするからです。
具体的な方法はこちらの記事にまとめています。
▶中国語リスニングの勉強法
簡単に言うと、ディクテーションして、聞き取れなかった単語を音読して、意味を調べて、文法を丁寧に解析するって感じです。
HSK5級文法の勉強法
HSK5級の文法は読解と作文の点数に影響します。
とはいえHSK5級で新しく出てくる文法自体は少ないので、時間があるなら長文問題を精読してみたり、基礎の文法テキストを2週間くらいかけてきっちり勉強しなおせばOK、後はテクニックと経験の話に帰着します。
基礎の文法が分かっていれば文法は正直特別な勉強は要らないので、基礎を大切にして、後は単語力で肉付けしていきます。
文法の勉強法の参考記事はこちらです。
▶中国語文法の勉強法
HSK5級作文の勉強法
HSK5級の作文の勉強法は、「毎日作文すること」です。
HSKのテーマに沿って勉強すればHSK対策になるし、自由なテーマで作文をすれば長文を書くことに慣れます。
順番としてはまずHSKのテーマに沿って作文、十分に書けるようになったら自由なテーマで作文という流れで、作文に対するマイナスの感情を消していけば勝手に得意になります。
参考記事はこちらです。(中国語作文おすすめの勉強法という項目)
▶中国語作文の勉強方法
HSK5級に合格するための勉強時間を知りたい
HSK5級の試験時間は、HSKのHP(http://www.hskj.jp/level/w_5/)にて紹介されています。
HSK5級の試験時間は、
リスニング:30分
リーディング:45分
ライティング:40分
時間的に一番厄介なのがリーディングです。
個人の感覚ですが、リーディングの問題を一通り解き終わった後、見直しに使える時間は、5分あれば良いほうでした。
多くても10分足らずです。
1問1問を正確に解答して、見直しをしなくて済むように解くのが良いんじゃないかと思います。
逆にライティングは時間が余ります。
第一部分に5分、第二部分は各10分、合計25分くらいで解答が終わるので、残りの時間で文法のミスなどをゆっくり確認できます。
自由作文の問題は一文字ミスると残りすべて書き直しになるので、ゆっくり見直しながら、一文ずつ書いていくのが良いかもしれません。
「HSK5級合格のための勉強時間は100時間」と言われているので、リソースをこんな感じに割り振ります。
HSK4級までの文法基礎を復習:1日1時間x14日=14時間
HSK5級の問題を解く:1回1.5時間x20回=30時間
リスニング対策:1日1時間x14日=14時間
リーディング対策:1日1時間x14日=14時間
ライティング対策:1日0.5時間x30日=15時間
弱点の克服(リーディングの全文訳、リスニングの強化など):13時間
これで100時間、確かにこれくらい勉強すれば十分受かりそうだなという感じがしますね。
私はリスニングが特に苦手だったので、リーディングは勉強せず、その時間を全てリスニングに投入してバランス調整しました。
HSK5級の知識を会話で活かす方法
ここからはコラムです。
HSK5級の実力があると、日常会話でも「自分に関係すること」なら割と話せたり、反応できたりします。
80字くらいの作文ならできるので、自己紹介や身の回りの紹介などといったテーマで作文をたくさん書いて、暗唱したり音読したりすることで、日常生活でも頻繁に扱うテーマについて会話が成り立つようになります。
私はいまHSK6級に合格するくらいのレベルですが、今でも毎日作文を書いています。
時には日記を書いたり、時には説明文を書いたりしています。
テーマは何でもよくて、とにかく、言いたいことをアウトプットする練習を多くしておくと、会話の時に反射神経がよくなります。
▼参考に私の作文を紹介します。
作文をしました。
ここにいると座りっぱなしの生活なので、歩けません。今日は今のところ150歩です。
つい2日まで1万歩とか歩いてたのに、これはヤバいです。というわけで、部屋の隅から隅までの10歩くらいの距離を500往復して、合計5000歩を目指します。
(たぶん無理)#中国語勉強 pic.twitter.com/Lv3Ssu1mBi
— TOMO🇨🇳広州で隔離中 (@try_to921mo) October 9, 2020
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それでは、中国語の勉強、頑張ってください。