●チームを強くするためには理論と手順だけでなく、感情も大切という話
こんにちは、今週の仕事は「色んな人と飲みに行く事」。TOMOです。
これから自分で仕事を見つけたりしていくんですが、
失敗したくないじゃないですか。
始発まで飲んだので、相当熱く語りました。
チームを強くするためには、理論と手順だけでなく、感情も大切という話
仮に先輩の名前を「田中さん」としましょうか。
田中さんは、私の学生時代のアルバイト先の先輩でした。
「将来はこの店のオーナーになる」と
一生懸命勉強している人でした。
必要な知識は勉強して、資格も取って、いくつかのお店で修業をして
4年後にお店に戻ってきました。
先輩がいない間にお店が経営危機に
田中さんが戻ってきたときには、お店はまさに存続の危機でした。
何店舗かあったお店のうち立地が悪く、売り上げの悪いお店を諦めて、立地の良いお店だけを残し、ギリギリで戦っている、いわば屍のような状態です。
景気の良い時にたくさん来てくれた常連さんも、年を取り、定年すると来なくなる。
景気が悪くなると誰も来なくなる。
常に広告を打てば広告費だけ嵩む。
飲食店を長く経営するのは簡単ではないです。
でも当時のオーナーが引退する日、田中さんは「任せとけ、俺が何とかする」と誓いました。
残ったお店を繁盛させるべく、様々な策を打ち始めます。
24か月間、売り上げを出し続ける大改革を行う
田中さんの打った手はこうでした。
売上が悪くてお店がつぶれるのであれば、少し利益を削ってもお客さんを増やそう。
お客様に徹底的に喜んでもらって、常連になってもらう。売り上げの安定には欠かせない「常連さん」の獲得です。
常連さんが離れる一番の理由「メニューを食べつくした」を徹底的に対策します。
何度か足を運ぶうちに、店員さんの接客が嬉しいことに気づきます。
常連さんを繋ぐ次の手は、「人とのつながり」です。
田中さんは、お店の経営を引き継ぐと同時に超スパルタのスタッフトレーニングを行いました。徹底的にサービス精神を育てるために。
24か月間指導し続ける、超スパルタトレーニング
大人になれば当然知っているべき内容ですが、アルバイトの子たちは初めて社会と触れ合います。
そこにも容赦なく指導の連続です。
- 何度か通ってくださるお客様の顔は覚える
- 食べ終わったお皿はすぐに下げて、机を広く使ってもらう
- 飲み物が空いたら次の提案をする
- 「ありがとう」は元気よく
- 仕事モード中は眠くても疲れても全力
また、常連さんのお通しは毎回メニューを変えました。
「いつも来てくださるので、同じメニューじゃ飽きると思って特別に変えてみました」
という一言を添えて。
この指導が相当効いたようで、スタッフの働きぶりも大きく変わり、
チーム全員で傾きかけたお店を大繁盛へと変革しました。
当時満席になる事のなかったお店が
平日4回転、週末5~6回転
売り上げは前年の20倍をキープし続けます。
さてアルバイト、お店が忙しくなるとつらくなります。
そして一向に認めてくれない田中さんに嫌気がさし、とうとう「辞めます」祭りが始まってしまいます。
「もうこの人とは働きたくない」と陰で言われる
改革とは、痛みが伴うものです。
大きく変革するためには、「嫌われ役」と「フォロー役」が必要になります。
田中さんはもちろん嫌われ役を買って出ました。でもほかの社員は田中さんのフォローをしませんでした。
「あいつが言っているから従うか」
「あいつはこの店のオーナー候補だから、口出しすると面倒くさい」
こういう感情のために、嫌われ役は本物の嫌われ者になりました。
陰での悪口、バッシング、大批判。
社員もアルバイトも全員「あいつとは働けない」という感情だけで固まります。
最終的に、田中さんは店を追い出されます。
お店には経費にする余裕資金がなかったので、自腹で払った接待費のために、ほぼ無一文で職を失いました。
チームを強くするためには、結果を出すだけではなく「心のケア」
田中さんは、結果は出しました。
自分が追い出される形でお店を辞めても、彼の改革したお店は今でも繁盛しています。
だって頑張ったのはスパルタに耐えたスタッフたちなので。
田中さんはどうすれば良かったのか。
それは、承認してあげる事です。
失敗した内容は、まさに動画のようでした。
「俺の言ったとおりにやれば絶対成功する。ついてこれないのは、そいつらが悪い。」
相手を、信じてあげられなかったんです。
自分を信じてくれない人の事を信じる事なんてできないし、ましてや感謝なんてできません。
強い正義感や正確な理論だけでは上手く行かないのが、世の中です。
本当の強いチームは、自分たちだけで変わっていける
ティール組織というのは聞いたことあるでしょうか。
フレデリック・ラルーという人が提案した組織の形なんですが、
簡単に言えば、「自主経営、相互理解」ができている組織の事です。
「売上を高くするためにはどうしたらいいか?」とか、「お客様が喜んでくれるお店では、どんな接客をしているのか?」という課題に対して、各自で答えを導き出せるチームこそ最強です。
田中さん一人が頑張らなくても、みんなが思うアイディアをぶつけ合って、みんなで前向きに改革する事だってできます。
良い空気感を作るためには、相手を尊重する、承認する気持ちが大切です。
良い仕事をしたら「良いね、素敵だね」と褒められると気持ちいいです。
小さなことでも褒められたら、「もっと頑張ろう」と思います。
みんな頭は良いです。感情があります。
何でもかんでも指導しなくても、褒められることだけをするようになります。
強いチームを作るためには、承認マインドと自主性を育もう
田中さんは「自分は大失敗した」と考えていましたが、私はまだこれからがスタートだと思っています。
確かに結果的には大失敗に見えますが、田中さんが結果を出したことは事実です。
田中さんがいなければ潰れていたかもしれないお店を復活させ、再挑戦できるチャンスを作りました。
もし、従来のスタッフと分かり合える日が来た時、その時に最強のチームが作れるようになるんじゃないかな、その時には、田中さんは承認する最高のリーダーになれるんじゃないかなと思っています。
本当に素敵な先輩です。ぜひこれからも頑張ってほしいです。
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