中国語ビジネスレベルになるまでに必要な勉強時間と勉強方法
中国語のビジネスレベルを目指す人向けの記事です。
「これくらい勉強すれば、ビジネスレベルを目指せるんだなあ」という目安と、そのための日ごろの勉強方法について紹介します。
「中国語を使って自由に仕事をしたい」と思うと、現状の自分の中国語レベルを実感したときに心が折れますよね。
外国語を「ビジネスレベルです」と胸を張って言えるようになるには、英語の場合は3000時間以上必要と言われています。
中国語は日本語と言語体系が近いので、「第二言語習得論」からするともう少し少なくてもいいはずですが、仮に3000時間と仮定すると、中国語をビジネスレベルに鍛えようと思うと
1日3時間×1000日
の勉強時間が必要という計算になります。
参考に、HSKと勉強時間については、こんなことが言われています。
主に週2~4回の授業を2年間以上習い、2,500語程度の常用単語を習得している者を対象としています。
引用:HSK公式HP(https://www.hskj.jp/level/w_5/)
1コマ90分の授業を週に4回習って2500の単語を習得している人がHSK5級レベルです。
したがってHSK6級の単語数は倍あるので、1コマ180分(3時間)の授業を週に4回習って合格できるレベルと換算できます。
つまり、HSK6級の合格には3(時間)×4(回)×52(週間)=624時間くらい必要だろうと予想できます。
…と考えると、ビジネスレベルって、途方もないですね。
とはいえ、ビジネスで使う中国語すべてが中国人との流暢な会話を求めているわけではないので、一つずつステップアップしながら、最後は中国人と商談できるようなレベルを目指していきましょう!
中国語ビジネスレベルの定義は、中国語を使って仕事ができる事
内外に向かって、「私は中国語ビジネスレベルです」というまでに3000時間が必要かもしれないですが、実際に中国語で仕事をしている人全員がそうというわけではないです。
一般的な実力を見ながら「ビジネスレベル」という言葉を定義しなおすと、中国語のビジネスレベルは「中国語を使って仕事ができるレベル」と言えます。
ちょっと実力が足りなくても、身振り手振り筆談を混ぜながら一生懸命やれば仕事できない事もないので、ビジネスレベル1、2、3…みたいにステップアップしていくものだと思っておきましょう。
中国語ビジネスレベルは、まずメールと資料翻訳から
中国語ビジネスレベルその1として、一番簡単なのがメールや資料の翻訳です。
ルールとか契約書とかの文章だと責任の問題で厳しいですが、一般的な会議の説明資料や、メールでのやり取りくらいなら、十分に仕事ができます。
会社でも、これくらいの仕事から任せてもらえることが多いです。
私も実際に、入社してから実働半年までは、基本的にメールと資料の翻訳ばかりをメインでやっていました。
これくらいのレベルには、HSK4級~6級程度の中国語の基礎と、あとは作文した回数、長文を読んで内容を理解した回数を豊富にこなしていけば十分にたどり着けます。
私がこのレベルになるためには、作文を毎日書いたり、会社のメンバーから送られてくるメールを音読したりして、徐々に慣らしていきました。
勉強の参考記事はこれがちょうどいいかな?と思います。
▶中国語文法の勉強法(作文について書いてます)
中国語ビジネスで、プレゼンテーションができるレベル
中国語ビジネスレベル2として、プレゼンテーションのように、一方的に話し続けるような場があります。
実際にプレゼンテーションをすると途中で質問の嵐が発生したりするのでもっともっとレベルが高いですが、例えば勉強のために資料を読んで、その内容を中国語で発表するみたいなやり方で勉強ができます。
▼私も仕事が暇になるとたまに練習しています。
1週間経って、振り返り。
残念ながら会議に一度も呼ばれず、満点付けれませんでした💯
…が、何となく日常から勉強をするってやり方を覚えたので、他の人の仕事の資料を読んで、現場行ってお絵描きしつつ内容を理解して、一人で説明する練習をもう一週間続けることにしました😙
これ結構たのしい。 https://t.co/4xKvMyecTq— TOMO🤐2月は瞬間作文を少しだけ (@try_to921mo) February 4, 2021
先日勝手に資料をみて勉強してた案件、聞きたいという理由だけで参加してみたら、予習した内容は何となく理解出来ました。
ちゃんとメモも取れたよ〜!
けど、通訳してと言われたらまだ難しいので、今度は喋る練習をしないといけないですね。
中国語の勉強には終わりがないなあ😭— TOMO🤐2月は瞬間作文を少しだけ (@try_to921mo) February 5, 2021
あとは、技術計算をした内容や研修報告をZoomの録画機能を使って動画にして、それを社内で共有するような形なら、質問の嵐を避けながら言いたい事だけを伝えることができます。
このレベルでは一方的に話す事しかしないので、音読慣れさえしていればOKです。
勉強法としては、この記事が参考になります。
中国語を使ったビジネスの場で、簡単な通訳ができるレベル
中国語ビジネスレベル3として、簡単な通訳ができるレベルがあります。
中国人に質問をして、内容を理解して、それを日本語に翻訳して伝えます。
この辺りから一気に「中国語ビジネスレベル」感が出てきます。
ただし、やっぱり複雑な細かい内容までは理解できないし伝えられないので、このレベルでしばらくもがき苦しむことになります。
私も現在中国の会社で日中通訳をたまにやりますが、熱処理の分野だけは通訳できるけど、他はからっきし聞こえないし、言えないし、理解できないみたいな状態です。
これからは切削加工についてや、品質についての議論も多く行われるので、その勉強をしていかないといけません。
とはいえ教材もないので、「慣れ」が多くを占める部分です。
一日も早く慣れるためには、同僚との活発な議論、資料を読んで自分で伝える練習を大量にこなしていく必要があります。
通訳をするとなると、瞬間で日本語を中国語に翻訳する力が必要です。
解決方法は「瞬間中国語作文」を頑張る事です。私も現在実践中です。
▼ビジネス中国語に特化したオンライン学習教材があるので、それについて解説している記事を紹介します。
中国語ビジネスレベルの夢は、現地人と中国語で打ち合わせできるレベル
中国語ビジネスレベルの最高級として、現地人と中国語を使って打ち合わせができるレベルが待っています。
小さい専門的な範囲での通訳を複数経験した後に、ある日突然芽生えてくるものだと思っています。
ひとつ前の日中翻訳ができるレベルで、場数をたくさん経験するとたどり着ける場所です。
私もまだまだなので、ここに対しては勉強法の提案ができません。
代わりに、中国語ビジネスレベルの先輩が勉強の面倒を見てくれる「コーチング」というサービスを紹介します。
中国語のコーチングは月15万円が相場で非常に高額な相場ですが、「中国語を使ってビジネスの夢をかなえてほしい」という理念を持ったコーチングが誕生して、価格破壊を起こしてくれました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【完全版】『Ciiitz』の口コミ・評判・メリット・デメリット・活用方法をまとめて解説
中国語初心者の方が需要が多いためホームページは初心者向けの内容を書いてありますが、無料カウンセリングでしっかりヒアリングしたうえで勉強法を提案してくれるので安心です。
中国語ビジネスレベルになるまでに必要な勉強時間と勉強方法
冒頭でもお話した通り、「中国語はビジネスレベルです」と内外に胸を張って言えるためには3000時間程度の勉強時間が必要です。
しかし中国語ビジネスレベル1~4みたいに、ビジネスレベルの中でのレベル分けも入れるともう少し早く達成できます。
例えば、「中国語のビジネスレベル」をレベル1~4にしてランク分けしてみます。
- 中国語ビジネスレベル1:文書のやり取りや翻訳ができる
- 中国語ビジネスレベル2:プレゼン形式で一方的に話せる
- 中国語ビジネスレベル3:打ち合わせで簡単な通訳ができる
- 中国語ビジネスレベル4:現地人と打ち合わせができる
こんなレベル分けをすると、各レベルに挑戦できるための勉強時間は
- 中国語ビジネスレベル1までの勉強時間:800時間
- 中国語ビジネスレベル2:プレゼン形式で一方的に話せる:900時間
- 中国語ビジネスレベル3:打ち合わせで簡単な通訳ができる:1000時間
- 中国語ビジネスレベル4:現地人と打ち合わせができる:3000時間
こんなもんになりそうです。
私もHSK6級を勉強用の教材としてひたすら勉強しつつ、作文と音読を3か月毎日やって、少し苦労しながら中国語ビジネスレベル1に挑戦しました。
それ以降は教材もないし、慣れの問題ですが、1日3時間×1か月くらい慣れるための時間を作れば中国語ビジネスレベル3までは到達できます。
中国語ビジネスレベル3では、最初は何言ってるかさっぱりわからない状態から始まりますが、自分がいないと会議が進まないという強烈なプレッシャーによって2,3回経験すれば少しずつ分かるようになっていきます。
あとは案件をたくさんこなしていき、色んな案件で自由に通訳できるようになったら夢である本物の「中国語ビジネスレベル」が見えてきます。
基本的な勉強方法はこんな感じです。
- 作文、音読を繰り返す
- HSK6級の音声を1.5倍速で音読できるようにする
- 仕事のプレゼン資料、その他説明資料を使ってプレゼンの練習
- 会議で頻繁に通訳を務めながら、当事者として揉まれる
これを繰り返すだけです。かなり辛いですが、「あなたにぴったりの教材」というのもないので、現状これしかないです。
書類で完結する中国語ビジネスレベル
書類だけで完結する中国語は、ビジネスレベルの初心者レベルです。
HSK4級~6級の基礎を持ったうえで、知らない単語や、ネイティブの言い回しに慣れながら習得していきます。
日本語を中国語に翻訳しながら書類やメールを書こうとすると物凄い長文になるので、短く、確実に伝える技術を日々学んでいきます。
書きながら慣れで覚えていくしかない領域なので、日ごろから作文することに慣れていることが大切です。
作文については、こちらの記事を参考にしてください。
一方的に話せばOKな中国語ビジネスレベル
次に、一方的に話すだけでOKな中国語は、ビジネスレベルの初級者レベルです。
書いた作文を音読したり、届いたメールを音読したりしながら中国語の発音を整えていき、専門用語や専門の知識のイメージを頭に浮かべながら、それを中国語で言い表す形で話します。
最初は書いた台本を音読するところから始まりますが、慣れてくると少しずつ、空で言えるようになっていきます。
中国語で質問したり、聞いて理解した内容を復唱する時にこの練習が生きてくるので、めげず頑張ってください。
中国語のスピーキングが、基本的な能力になります。こちらの記事を参考にしてください。
筆談しながら何とか伝える中国語ビジネスレベル
次は、筆談や身振り手振りを混ぜながら話ができるレベルです。これは中国語のビジネスレベルの中級ですね。
日中の通訳をする時に、最初から音声だけでは伝えられないし聞いても理解できないですが、身振り手振りや筆談、資料を見ながらといった視覚情報があると、まあまあ伝わる中国語会話ができます。
最初は何にも分からないけど、回数を追うごとに理解できるようになっていくので、めげずに頑張るしかないです。
そして、また別の分野の会議に呼ばれると全く意味が分からないところからリスタートです。
これを社内の一通りの分野の会議で経験すると、現地人と打ち合わせができる「ビジネスレベル上級」が見えてきます。
中国語ビジネスレベルを目指すときにぶつかる壁の超え方
中国語のビジネスレベルを目指すときに、ぶつかる壁がいくつかあります。
- 知識の壁
- 勉強時間の壁
- 文化の壁
などなど。
超え方は、「壁に遭遇したら一旦立ち止まって、自分の至らないところを認識する」事から始まります。
壁に感じるのが中国語の知識の壁なのか、仕事の専門知識の壁なのか…「
聞いてわからない」と言っても二つのパターンがあります。
中国語の知識の壁なら色んな中国語にもっと触れればOKですが、専門知識の壁なら、社内の色んな資料をむさぼって、すべて音読して、内容を理解して、、、みたいな泥臭い作業が必要です。
勉強時間の壁は、「忙しいのに勉強する時間が取れない」みたいな壁です。
普段から中国語で仕事をする環境なら、勉強の定義を変えて、「仕事=勉強」と捉えてみましょう。
仕事をしながらどんな中国語が勉強できるのかな?と考えてみれば色々と方法があるはずです。
文化の壁は、私も今もしょっちゅうぶつかっています。
例えば、質問の回答を「専門の人に確認して後で回答します」って、うちの会社ではあまり聞かないです。とりあえず適当に答えます。
これはもしかしたら会社の文化なのかもしれないですが、知らなかった頃は数週間後に全く違う答えが出てきて焦る事もありました。
今は自分で担当者に確認するようにしています。
他にもいろいろありますが、今の会社の従業員であるうちはちょっと黙っておきます。
中国語をビジネスレベルに鍛え上げるなら、独学よりもコーチングに頼ったほうがいい
中国語の勉強をする時、「HSK6級に合格する」みたいな目標であれば独学でも十分に対応可能です。
それは、素敵な教材があふれているからです。
しかし、HSK6級を超えると、途端に勉強用の教材が無くなります。
自分で教材をあさるのも良いですが、きっとその教材は、あなたの悩みを解決してくれません。
ということで、すでにビジネスレベルの中国語を経験している先輩から「個人に最適な勉強プラン」を立ててもらうのがおすすめです。
私は基礎の勉強のところで2か月20万円を払って一気に伸ばしきりましたが、ビジネスレベルでまた壁にぶつかっています。
次またコーチングを考えていますが、最近「ビジネスレベルの中国語を話せる日本人」がいて、相場の半額くらいで受けられるコーチングサービスを見つけました。
私ももう少し奮闘してみて、苦しいなと思ったら、そろそろコーチングに頼ろうかなと思っています。
それでは、一緒に中国語の勉強を頑張りましょう!