●100年を超える長寿企業の経営の秘訣。経営者は人間を突き詰めろ
こんばんは、TOMOです。
最近、経営者向けのセミナーが各地で行われていますね。
多いテーマが
- 「長寿企業の経営の仕方」
- 「後継者発掘、育成」
とはいえ、長寿企業は年数がたたないとなれないので、
直近の課題は後継者の発掘や育成になるでしょうか。
子供が機械系より別の業界に興味をもって継いでくれそうにないというのが問題になっています。
日本の会社の99%は中小企業といわれているので
後継者がいないと日本の99%がなくなります。
連鎖的に大企業も、なくなります。
そんな理由から、サラリーマンのおすすめの副業として
会社を買うというのもブームになっています。
そんなわけで、現在は「同族経営をやめて、経営者を選任する」というのが
時代の流れになりつつあります。
経営者になりたい人、現在経営者の人に参考になる記事を、
本日は書きたいと思います。
本記事のトピックは以下です。
- ノウハウを集めないで、人間を突き詰める
- 時代はグローバル。多様性を認めよう
- 大切なものを残しながら時代の変化についていく。
100年を超える長寿企業の経営の秘訣。経営者は人間を突き詰めろ
よく、長寿企業になるためにはどうしたらいいですか?という質問があります。
確かに、長く続く企業には、それなりのノウハウや戦略があるでしょう。
しかし、これらは時代が変わると正義が変わります。
続く人が同じように行動していまい、思考停止に陥ります。
こうなると最後、衰退あるのみです。
とある本が、経営に関する一つの答えを書いています。
しかし、絶版になりました。
真偽のほどは定かじゃないですが
あなたがこの本を出すことによって
みんながこれが唯一絶対の答えだと信じてしまう。
時代はこれからも変わっていく。
その時に、本物の経営力がなければ生き残れない。
後世の人たちが自分たちで答えを見つける力を養うためにも
今すぐこの本を絶版にせよ!
という趣旨の反発があったそうです。
富士山は西からも東からも登れる
松下幸之助の言葉に、「富士山は西からも東からも登れる、東が険しければ西から登ればよい」というものがあります。
一つの答えを示してしまうと、
険しい東の道ばかり皆が求めて、脱落していってしまうよという警告だったのでしょうね。
大切なのは方法、進む道ではなく「どんな人が登るのか」です。 しっかりとした体力、筋力を持った人であれば険しい道も登れるし
ヒョロヒョロであれば楽な道も登れません。
この体力、筋力は経営における人間力に置き換えられて、
優れた経営者、政治家は同時に優れた人間学者であるといわれています。
逆に優れた経営者、政治家は、人間を突き詰めていればどの道にだって転身できる。
優れた人間になるためには
前項でお話ししたように、人間を突き詰めた人が優れた経営者になれます。
つまり、経営力=人間力と言い換えることもできるでしょうし、
経営力=人生、政治にも応用できる力、真理
と定義する事もできます。
松下幸之助が話したといわれている素敵な言葉があります。
「人生を経営する気持ちで生きなさい。」
家長(世帯主に近い)=家の中の社長です。
社長(家長)が夢を語れなければ、未来を見せてあげられなければ
従業員(家族)はついてきません。
あなたは夢がありますか?「家をこうしたい」という理念はありますか?
言えなければあなたは経営者失格です。
こんな意味合いでしょうか。
常に、「こうありたい」という理想を持ち続けなければ、
優れた、素敵な人間にはなれません。
経営の偉人を勉強してみる
経営の神様、稲森和夫についても少し勉強してみましょう。
また、その人間性が素敵すぎたため、
中国で日本製品の不買運動があって、本屋中の日本の本が焼き払われた中でも
稲森和夫の本だけは大切に置いてあったそうです。
他の逸話では、
京セラを創業して、のちにメインバンクをメガバンクにしたいと思ったときに
住友銀行の堀田庄三に対して松下幸之助愛を語ったそうです。
「君はまだ若いんだから、松下幸之助にとらわれてないで、新しい生き方をしなさい」
と説教されたそうな。
これに稲森和夫は激怒、そのために現在でもメインバンクはUFJ銀行なんだそうです。
本当に、恩や感謝の気持ちを大切に、松下幸之助を心から愛した人なんだなというのがわかります。
稲森和夫が一人、松下幸之助の講演で涙した経営理論がダム式経営。
自分が誰よりも強くダムを作りたいと思わなければ、誰もダム作りに賛同する人は現れません。
ダム式経営について
100年生きる長寿企業経営の秘訣。多様性を認めること(地方創生にも関連します)
時代はいつ、どんな風に変わるのか分かりません。
過去の日本は、太平洋ベルト地帯がメインに発展していきました。
京浜工業地帯、中京工業地帯、阪神工業地帯、北九州工業地帯で有名なやつですね。
対して日本海側は「裏日本」と呼ばれており、下に見られていました。
現在はどうでしょう。
中国、韓国の猛烈な発展によって、むしろ裏日本の地域のほうが元気だったりします。
このように、多様性がつくられると時代の変化にも耐えやすくなり
取り残されることがなくなります。
地方創生というのも、この事実を大切に考えて
すべての地方を東京と同じようにするor東京に一極集中するのではなく
地方には地方の利点があるので、それを大切に活かしていくことが求められます。
別の例では北海道も評価が変わりましたね。
作物は育たないし、人も生きていくのがやっとの場所でした。
現在は美味しいコメ、ワインができたり、ロケットでにぎわったりしていて
今では日本の宝物です。
多様性を認めて、地方の特色を活かすことで、
今まで上手に活用できなかった地方が
日本の宝になるなんてことも頻繁に起こります。
「自分と違う」を積極的に取り入れると感覚が研ぎ澄まされる」
もう一つ多様性のお話をしましょう。
昔、船場の商人はこういいました。
「障碍者が生まれたら、その子を福の神として大切に育てよ。」
それを守った商家は、それはそれは繁盛したそうです。
障碍者には、できないことがあります。
我々が当然と思ったことが苦手だったりします。
ですが彼らは福の神。
神様を大切に、彼らの苦手をサポートするようになると自然に
「どういう事で苦労を感じるだろうか?」を考えるようになります。
そうするとだんだん、感覚が研ぎ澄まされていくので
お客様の変化に気づいたり、
便利なアイディアが思いついたりするようになって
結果、商売が繁盛するようになります。
色んな人の多様性を認めることで、
他にない価値を生み出せるようになります。
このように、多様性が発展の基礎となっていきます。
100年生きる長寿企業になるためには、大切なものを残しながら、変わることも受け入れる
ダーウィンの進化論として有名なフレーズがあります。
この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ
時代はどんどん変わります。
時代に取り残されず、生きていくためには
変化にも寛容になる必要があります。
例えば今の中高生は、もう私たちと感覚が異なります。
2018年度の東大模試では
受験者数が文Ⅰを文Ⅱが上回ったそうです。
理由は、官僚になりたいと思う人が減ったことだと考えられています。
将来は官僚になる人が行くようなところなんですが、
今は文Ⅱの、経済学が人気です。
官僚になってやり直しのきかない人生よりも
起業したほうが実用性が高いという判断をする人が増えました。
東大出身で起業した人も多いですよね。
東大を出て官僚、大企業はもう過去の常識となってしまったようです。
本当に、時代は変わってきていますね。
これから先も生き残るには、若者の感性を積極的に感じ取ることが大切です。
一方で、捨てちゃいけないものもある
時代の変化対応するために、我々も変わっていかないといけないのですが
一方で捨てちゃいけない大切なものもあります。
大切なものを捨てて困っている国の例を挙げます。
先日受けたセミナーで紹介されていました。
韓国では、目上を敬う気持ちを大切にしています。
飲み物を飲むときに顔をそむけるマナーなどが有名ですね。
しかし、IMF危機の後に、効率化を求めて集中させる戦略を取ったときに
問題が発生しました。
優秀な若者はソウル大学に集中したり、優秀な学生をサムスンに集中させたりして
効率的に国を発展させましたが、
そのせいで若者は地元を離れ、地元を捨て、年長者を支える事ができなくなり
現在は独居老人が爆増しました。
日本にも、大切に残さなければいけないものがたくさんあります。
ひとつはモラル、マナーの良さ。
東京オリンピックの招致の時に、滝川クリステルさんが「オモテナシ」といったのは有名ですが、
会場がもっと沸いた言葉が実はありました。
東京で何かを無くしても、ほとんど戻ってくる。それが現金であっても
そんなわけないでしょ!と調べてみるとどうやら本当らしい。
それで大きく話題になりました。(参考記事)
次に感謝、恩の気持ち
日本の感謝の気持ちは素晴らしいです。
近藤麻理恵さんの片づけ術でも話題になりましたね。
「ありがとう」と言って物を捨てるんだから、外から見たらもう、異常です。
でもこれが日本らしい感謝の気持ちですよね。
何かして貰ったら感謝で応える。
それが信用につながっていきます。
日本は財政がピンチといわれています。
実際資料を見るとおそらく、何の価値もない国でしょう。
でも、「日本はお金を借りたら必ず返す」という信用だけで
有事の円買いが行われています。
日本は何にも代えられない、信用がとびぬけた国です。
これは決算資料のどこにも載っていない、簿外資産です。
信用はいつでもお金に換えられるというのはこういう事なんでしょうね。
参考図書
最後に紹介するのは、日本は伝統を大切にする国ということです。
これを可能にしたのは、歴史があったからです。
平城京、平安京など、たくさんの人を城の近くに住まわせて
それでいて同じ方向を見ながら生きていくノウハウがありました。
人が集まると疫病が発生することも知っているので
江戸を作るときには療養所を整備したり、
疫病は水から発生するので上下水道を整備したり。
人が増えれば火事が起こるので、火消しがいたり、
延焼を避けるために広場を作ったり。
ノウハウの俗人化を防いで共有するために奉行所を二つ作ったり
江戸時代の日本は、過去から大切に残した伝統がありました。
おかげさまで現代の私たちがいます。
また日本の特色として、宗教に本当にいい加減です。
過去に神道と仏教の争いをしました。
これによって物部氏は負けましたが、今でも神社はたくさん残っています。
これは、日本が敗者も尊敬する性格なのもありますが
どちらかが残って、どちらかが消えるとなると、宗教戦争が無くならないからといわれています。
今でも宗教の話を人前でするなといわれますが、これは
宗教を熱く信仰すると、ゆくゆくは戦争に発展するからと、この時に判断されたからのようです。
だから日本は宗教に対していい加減なスタンスをとっているので、
日本ではなかなか戦争が起きません。
日本にはたくさんの大切なものがあります。
何もかも、過去を否定するのではなく、大切なものは残しておく必要があります。
なぜ、今このルールなんだろう?と思ったら
いきなり変革しないで、まずは歴史を調べてみましょう。
そうすることで、歴史は繰り返されなくなります。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学びます。
生き残りをかけて、ともに発展していけたらなと思います。
100年生き残る長寿企業になるために大切なこと。
今回は、「100年を超える長寿企業の経営の秘訣。経営者は人間を突き詰めろ」というテーマで記事を書きました。
長く生き延びる企業は、長きにわたり、たくさんの人に助けられています。
- 人間として優れている
- 自分と違うことに寛容(多様性を認める)
- 伝統は残しながらも進化する
100年先まで生き残るには、まず素敵な人間、素敵な組織を作ることが大切というお話でした。
<今回の参考図書です>
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