●中国の会社の人と中国のイメージと日中の今後について議論してみた
こんにちは、TOMOです。
中国の会社に就職する事が決まりましたので、そのあと会社の中を案内してもらったり、周辺を散歩したり、会社の人とお話する機会をもらえましたので会社の人と、「私の持っている中国のイメージと実際に現地で働いている人が持っている中国のイメージ」について議論をしました。
新しい発見があったので、忘れないように&皆さんとも共有したいので、記事にしておきます。
TOMOが思っている中国のイメージ
- 質が悪い
- すぐに物をコピーする
- 安い
- ルールを守らない
あんまり良いイメージがないんじゃないでしょうか。
私のイメージはそれに対して
- 質が悪い→最近質が格段に上がっている
- すぐに物をコピーする→日本も同じことをしていた
- 安い→まだ物価が安め
- ルールを守らない→まだルールができてないor周知しきれていない
私が一番注目しているのは、「製品の質が上がってきている」という事。
昔は「中国製=安くて質が悪い」というイメージで表される物でした。でもそれは過去の物。
日本で技術的に作り切れなかったスマートフォン、今はHuaweiという中国のメーカーが世界を動かそうとしています。家電も世界中に日本製品がありましたが、冷蔵庫やテレビなんかはもう、知らないメーカー製の物があふれています。
一部分野では日本を追い越しているのが現状です。
現地で働いている人が思っている中国のイメージ
中国で私が就職するメーカーは自動車にも関係するメーカーですので、品質第一です。
日本も欧州も含めて世界中のメーカーとの取引があるので、ちょっとでも品質的な欠陥があると会社として大きな損失になってしまいます。
そのために、日本のメーカーよりも徹底した品質チェック装置がありました。相当厳重です。
また、中国が発展してきた理由の一つとして、品質を上げると儲かる事がわかってきたようです。一つの会社と大きな信頼を築いて、そこからたくさんの取引先につなげていくという戦略をとっています。信頼のなせる業です。
自動車関連で品質第一なのは、人の命がかかっているからです。
スマホやパソコン関連で圧倒的なスピードで仕事をするのは、命に関係がないから。
その二つを使い分けているから、中国の今の発展があるんだそうです。
本当に必要なのは中国らしいものづくりか日本らしいものづくりか
現地で働く社員の人と会話をしていて盛り上がったのが、「中国らしいものづくりが正解なのか、日本らしいものづくりが正解なのか」という問題。
私は、今の時代はスピードが命。だからスマホ市場は中国が制覇しつつある。パソコンも侵食しつつある。
こういう考え方をしているので、中国式ものづくりが最強と考えていました。
現地の社員の人は、品質が一番。スピードよりも、命に関わる危険はないか、環境に悪くないか、そういう事をクリアして初めて、商品を世界から買ってもらえる。という考え方をしていました。
日本がダラダラと会議をしているように見えるのは、「品質に問題はないか」「命の危険はないか」「お客様に信頼してもらえるか」をとことんまで徹底して議論しているからで、それがメイドインジャパンのブランドを作り上げてきている。だからこれからもその気持ちは絶対に忘れてはいけない。
ただしスピード感も大切で、もし両者が上手くドッキングできれば、これが一番最強です。
ある分野では中国が強い。ある分野は日本が強い。こういう棲み分けができればいいんじゃないかなと思いました。
中国の成長の仕組み
別の社員の方とお話をする機会もありました。この人は日本語ができるので、結構色々話せました。
中国が成長してきた一番の理由は、広い国土とたくさんの人
中国が発展している一番の理由は、中国が広いから。
国土が広い為、田舎と都会の格差が以上です。田舎の人たちはまだ貧しいので、都会や工業地帯まで出稼ぎにきます。そのため安い人件費で働かせることができるし、寮などの福利厚生をしっかりしていれば中々辞めません。会社も従業員もwin‐winの関係になっています。
日本と同じく、都会の裕福な人たちは、給料が少なくても良いからよりよい労働環境を求めたり、まじめに仕事をしないという特徴があるそうです。なので、今まさにこれからお金を稼いでいきたいという人がたくさんある環境というのが、中国の強いところです。
人や国土というリソースがたくさんあるため、まだまだ発展する余地がありますね。
中国では、安ければ買うという層の人もたくさんいる
中国には、性能が悪くても安ければ売れるという市場があります。
まだまだ裕福でない家庭もたくさんあるので、「まず、作って売る」というレベルの製品でも安ければ買われます。そこで原資を得て、次の商品はもっと質の良いものを作ります。そしてさらに・・・という好循環のループ。
中国の消費者も「次はもっと質の良いものを買う」という買い方をするので、メーカーも安くて質の悪い製品を作り続けるわけにはいきません。お客様と共に成長するスタイルですね。
私の凄く注目している小米(Xiaomi、シャオミィ)も、当初は全然いい物を作るメーカーではなかったのに、今となってはプラットフォームを取ろうかというレベルまで達しています。
中国では、失敗に物凄く寛容
中国が成長できる理由として強いのは、こいつもそうかもしれません。
失敗に物凄く寛容なんです。だからこそ、みんな自信がある。「やれません」なんて一言も言いません。「やれません」というのは「やりたくありません」というのと同じ意味にとられます。
本当にできないならば、まず「できます!!」と言ってから失敗すればいいみたいです。
2011年の中国での新幹線の事故について覚えている方はいらっしゃいますか?この辺りから、中国のイメージっていうのが悪いもので固まってしまったような気がします。
でも、この失敗を乗り越えて、今や一帯一路において、中国製の新幹線でヨーロッパまでつなごうというレベルになりました。あれだけ「日本は安全、技術は世界一」と言っていても市場はほとんどなくて、走っているのは日本と少しの国だけです。
「世界一」と言いながらも世界に出られなかったのは失敗に対する恐怖が多くて行動できなかったからなんじゃないでしょうか。ヨーロッパまで新幹線がつながれば、もう中国が世界一になります。
失敗しても這い上がる、安くても応援してくれるお客様がいる、「絶対できる」と言い切る精神、そして会社を支えてくれるたくさんの従業員。これらがあって中国は経済成長が可能になりました。
車の運転から見る中国の性格
中国の車は本当に突き進むのみっていう感じで運転されます。
「列を作って待つ」という概念はあまり存在せず、車を走らせて、頭を突き出したら入れてもらえる式の運転の仕方をします。
車の事故に対しての考え方が日本と違うんですよね。
日本は車をぶつける事を極端に嫌うので、一旦停止して、相手をやり過ごすような運転の仕方です。
中国は、流れの中で上手に入り込んでいくという運転の仕方です。
どちらも事故を起こさないためのテクニックなのでしょう。
産業の興りなども日本と中国で差があります。
日本では、白タクが禁止なのでUberが全然流行りません。法律がタクシー業界を守っているからです。中国ではそもそも、そういう法律がないので思いっきり滴滴(didi)が流行していて、タクシーの半分くらいの時間(5~10分くらい)もあれば現在地に迎えが来ます。超便利。
中国では「とりあえず進んでみて、問題があれば都度修正すればいい」という考え方をするので、タクシー業界においてもとても公平な競争が働いたんだといえるでしょう。街中を見てもタクシーは走っていませんでした。
日本で同じことをすると、タクシー業界からの抗議が激しくなり、なかなか正当な競争ができなくなります。
一度発展してしまうと、資本主義の原則である競争が起こりにくくなってしまう。なので後から無法な状態で突っ込んでくる国に追い越されてしまうんです。でもそうすると後で貧富の格差による問題が起きたりします。勢いも大事だけど秩序もとても大切です。
ですので日本のタクシーは中国のタクシーに劣っているというつもりもありませんが、便利なものは便利だと素直に認め、日本のタクシー配車サービスも(今も相当便利になりましたが、)より一層便利になる事を期待したいと思います。
まとめ
今回は中国の経済発展について、ほんとただの一般人(会社の上司にあたる人)と雑談をしただけですが、
「なぜ、中国はここまで成長できたのか」と「中国が抱えている問題は何か、日本を完全に追い越してしまうのか」について議論することができました。私の心の中には、「もうすぐ完全に中国から追い抜かされてしまう」という確信に近い心配がありましたが、案外棲み分けもできそうだなという気もしましたし、でも中国のチャレンジに対して寛容な精神も素晴らしいなと思いました。
中国の会社で働くことのメリットについて思う事は、
- 「失敗したらどうしよう」という感情を持たず、常に自分に自信を持った行動、思考ができるようになる。
- 「まず、やってみよう」精神が身につく
- 少ない残業時間で成果を出す行動力が身につく
- すぐ行動、すぐフィードバックを求めて、次の進歩までを着実に目に見える形にする事ができる
- 日本語、中国語、英語の3か国語を話せるようになる
- 現地の便利なサービスに触れて、日本の足りない部分に目が届くようになる
日本も中国もとても良い国でした。日本のほうが凄い!とか、中国のほうが凄い!とかではなくて、どちらも本当に素敵な部分があります。両方の良い部分を持ってきて、ぜひ自分に取り入れていきたいと思いました。